1回目の外壁塗装を行う時期は一貫して8~12年程度と言われています。これは新築時の建材が安価なアクリル塗料で塗膜保護されていることが多い為、サイディングやモルタルに関わらず外壁塗装が必要になる時期が変わらないのです。
しかし2回目以降の外壁塗装は、前回使用した塗料のグレードやお住まいの経年劣化によって異なります。塗料の耐用年数はそれぞれ違いますので、ウレタン塗料を使用していれば7~10年目、シリコン塗料であれば10~13年、フッ素塗料であれば15~20年目での塗り替えサイクルになります。
つまり築15年程度でも、前回ウレタン塗料を使用しているお住まいは2回目の外壁塗装が必要になり、対してフッ素塗料を使用していれば築25~30年目が2回目の外壁塗装時期です。1回目の外壁塗装は「周囲のお住まいが塗り替え始めた」ことをきっかけに外壁塗装を検討された方もいらっしゃると思いますが、2回目以降の外壁塗装は前回塗料のグレードを参考に、現在の塗膜が劣化し始めた機会に検討していきましょう。
2回目以降の外壁塗装は前回の塗料のグレードを参考に検討していきましょう
もちろん築年数が経過することによってお住まいへのダメージは蓄積されています。立地や使用建材によっても劣化速度は変わりますのでクラックの発生が著しい、サイディングに反りが見られるといった緊急性の高い劣化が見られる場合は、塗料の耐久性に関わらず早急に補修しなければなりませんのでご注意ください。
緊急性の高い劣化が見られる場合は塗料の耐久性にかかわらず早急な補修が必要です。
なぜ?2回目以降の外壁塗装費用が高い理由
ほとんどの方は1回目の外壁塗装工事の際にかかった費用を参考に、2回目以降の外壁塗装工事をご検討されるはずです。塗装面積も塗料のグレードも変わらなければ施工費用は変わらないはず!当然そう思いますよね?しかし2回目以降の外壁塗装は1回目の外壁塗装費用よりも高くなる可能性があります。その主な理由は「建物は劣化するもの」だからです。
築10年で外壁塗装をしたからといって新築時の耐久性に蘇るわけではありません。外壁塗装はあくまで外壁材の劣化を防ぎ状態を維持する為のメンテナンスに過ぎず、決して耐久性を回復・強化させるものではないのです。築20年で2回目の外壁塗装をしたとしましょう。この時点で外壁材は20年も太陽光や雨水に晒されたことで間違いなくダメージを受けています。
築年数の経過によって現れる劣化を、使用率が高い窯業系サイディング外壁とモルタル外壁を例にご紹介したいと思います。
サイディング外壁の場合
level1 汚れや苔、カビの付着
level2 色褪せやチョーキング現象
level3 目地シーリング材のひび割れ.亀裂
level4 釘止め工法による軽妙なクラック
level5 結露や雨水の給水により爆裂やフカフカとした感覚
level6 釘やビス留め補修では改善出来ない浮きや反り
level7 クラックの拡大によるサイディングの剥落
モルタル外壁の場合
level1 汚れや苔、カビの付着
level2 色褪せやチョーキング現象
level3 ひび割れ(クラック)の発生
level4 構造クラックの発生
level5 下地に設けられているラス網の錆による爆裂や剥がれ
level6 吸水によるモルタル外壁の剥落
もちろん築20年に達した時点でこのような経年劣化が必ずしも発生するわけではありませんし、1回目の外壁塗装でこのような経年劣化の発生を防いでいます。しかし、築年数が経過するごとに外壁塗装のみで補修出来ていた劣化が、外壁材の張替えを要する程に進行してしまうのもまた事実です。2回目以降の外壁塗装では塗装作業だけでなく、「外壁材の補修費用も必要になる可能性がある」ということを覚えておきましょう。
2回目以降の外壁塗装に使用する塗料と前回塗料は密接な関係にあります
2回目、3回目の外壁塗装では以前は高価で手が届かなかったフッ素塗料を使用したい!溶剤塗料は臭いが気になるので2回目からは水性塗料を使用したい等、恐らく前回の外壁塗装時に気になった点は、2回目以降の外壁塗装に強く反映されるかと思います。10年も経過すれば塗料の開発も進み気になる塗料もあることでしょう。もちろん2回目以降の外壁塗装で塗料を変更することは可能です。しかし前回の使用塗料によっては、塗膜の膨れや剥がれを起こすこともありますので、塗料の相性についてご紹介致します。外壁塗装は旧塗膜が劣化した時期に行うお住まいが多いので大きな影響を受けにくいとは思いますが、今後2回目、3回目の外壁塗装を行うにあたって頭の片隅に入れておきましょう。
塗料の相性が悪いと塗膜の膨れや剥がれを起こすこともありますので塗料の相性に注意が必要です
1. 前回塗装で水性塗料を使用していた場合
各塗料メーカーのホームページにも掲載されているのですが、溶剤塗料の上に水性塗料を塗り重ねても基本的に問題はありません。しかし水性塗料の上に溶剤塗料を塗り重ねると溶剤が水性塗膜を侵し、膨れやしわを起こす可能性があります。
現在は臭いの少ない水性塗料が主流になっていますので問題はないかと思いますが、溶剤塗料を使用したい場合は旧塗膜が水性塗料だったのかを確認しましょう。
溶剤塗料→水性塗料 〇 水性塗料→溶剤塗料 ×
2. 前回塗装でフッ素・光触媒・無機・親水性塗料を使用した場合
「汚れがつきにくい」「低汚染塗料」という理由で使用したこれらの塗料は非粘着性の為、新たな塗料が付着しにくい傾向にあります。この場合2回目以降の外壁塗装にも同じ性質をもつ塗料での塗り替えが最適です。現在は下塗り塗料の技術も進歩していますが、既存塗膜の性質を理解し使用塗料を選定していく必要があります。
フッ素・光触媒無機・親水性塗料→同じ性質をもつ塗料→ 〇
違う性質をもつ塗料→×
3. ログハウスで造膜型塗料を使用していた場合
稀なケースではありますが、ログハウス等木材を使用している住宅の外壁塗装に造膜型塗料を使用したことがある場合、木目を活かす浸透型塗料での塗り替えは出来なくなってしまいます。この場合木目は潰れてしまっていますので一目見れば分かりますし、塗装業者が造膜型塗料をご提案することはほとんどないでしょう。気をつけていただきたいのはDIYで外壁塗装をされるお住まいです。
造膜型塗料→浸透型塗料→ ×
2回目以降の外壁塗装メンテナンスはお住まいを見直すチャンスです
2回目以降の外壁塗装をご検討中ということはお住まいへのダメージは確実に蓄積されています。サイディングの張り替えやモルタル外壁の塗り直し等、1回目の外壁塗装よりも費用はかかってしまう可能性は充分にあります。しかし2回目以降の外壁塗装はお住まい全体を見直す機会にもなります。というのも築年数の経過によってエアコンや給湯器といった電気設備、雨樋や破風板といった付帯部も交換や補修が必要になる時期を迎えます。
家族構成やライフスタイルの変化によってエアコンの撤去を行えば、前回塗装出来なかった箇所が露出し見栄えが悪くなってしまいます。雨樋交換、破風板の板金カバーを行うにも足場仮設が必要になってしまいます。
そのようなお住まいの経年劣化を2回目以降の外壁塗装を行う際にまとめて改善し、綺麗に仕上げ直していきましょう。2回目以降の外壁塗装は難しいからこそお住まい全体の知識、塗料の特徴・注意点を熟知した業者に依頼する必要があります。外壁塗装工事だけでなく外装の補修ももちろん承っておりますので、お住まいの経年劣化が気になる方はお気軽にご相談ください。
2回目以降の外壁塗装を行う際の注意点のまとめ





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