軒天の基礎知識まとめ!役割・種類・メンテナンス方法とは?

 

「軒天」という言葉を聞いてもピンとくる人は少ないことでしょう。軒天とは屋根の裏側の天井部分で、なおかつ外壁よりも外に伸びている部分のことです。

屋根や外壁と比べると、普段生活する中で軒天の役割やありがたさを感じることはあまりないはず。

ですが、実は軒天は、快適で安全な生活を維持するためのさまざまな重要な役割を担っているのです。

「そもそも軒天は何のためにあるの?」「軒天が劣化したらどのようなトラブルが起こるの?」と疑問に感じている方も多いはず。

そこでこの記事では軒天の基礎知識からその役割、補修の目安となる劣化症状からメンテナンス方法に至るまで徹底解説しています。

軒天の基礎知識を得て、快適な住空間を維持しましょう!

 

 

そもそも「軒天」ってなに?

「軒天」と言われても、どこにあるのか、何のために設置されているのか答えられる人は決して多くありません。

そこでここではまず、軒天の基礎知識について確認しておきましょう。軒天とは、外壁よりも外側に突き出ている屋根(軒)の裏側の天井のこと

軒部分の天井であることから、それを略した「軒天」という言葉が定着したと言われています。ちなみに、屋根だけでなくバルコニーやベランダの床の裏側の天井も「軒天」であり、時には「軒裏」といった呼ばれ方をすることも。

屋根や外壁のように目立たないため日常生活の中で目を向ける機会が少なく、それゆえに知らないうちに劣化症状が進んでしまいやすい箇所でもあります。

快適な住空間を維持するために重要な役割を担っている箇所ですので、軒天の劣化サインを見逃さずに、適切な時期にメンテナンスをおこなうことが必要なのです。

まとめると…
  • 軒天とは、外壁よりも外に突き出ている屋根の裏側の天井部分のこと
  • 「軒裏」や「軒天井」などと呼ばれることもある

軒天にはどんな役割があるの?

軒天は、雨どいや雨戸・破風板などと同様に、付帯部分と呼ばれるパーツです。

雨風や紫外線から家を守る屋根や外壁と比べるとあまり目立たないため、「何のためにあるのかよく分からない」と感じる方も少なくないことでしょう。

そもそも、なぜ軒天が必要なのでしょうか?ここでは、軒天が担っている重要な役割を3つピックアップしてご紹介していきます

外壁を雨から保護する

 

 

雨漏りについて 〜自己負担なし工事〜 | 日本建宅

 

軒天は外壁よりも外に突き出るようにして設置されているため、外壁にあたる雨水を遮断することが可能です。

外壁に直接雨水が当たると塗料が剥がれたり、カビやコケが生えて腐食を起こしたりと耐久性に支障が出てしまいます。

軒天には外壁を雨水や強風のダメージから守り、長持ちさせるという役割があるのです。

裏を返せば、軒天のない住宅は外壁に直接雨や風が当たってしまうため、ダメージが蓄積されることに…。メンテナンスの時期や耐用年数を待たずして、補修やリフォーム工事が必要になってしまうでしょう。

また、軒天はいわば「緩衝材」のような機能もあるため、雨が窓や玄関の中に吹きこんでしまうのを防いでくれます。

雨の日に窓や玄関のドアを開け閉めしても、住居内に雨水が浸入しないのは、軒天があるからこそなのです。

 

 

壁を紫外線から保護する

気候 日光
雨水に加えて、紫外線も外壁を劣化させる原因のひとつ。長期間にわたって紫外線にさらされることで、塗装が劣化してしまうのです。

軒天は外壁に当たる紫外線を遮断してくれるため、紫外線による劣化防止につながります

また太陽光を遮る役割もあるため、日当たりがよく夏場には高温になりやすい住宅の場合、軒天によって暑さを和らげることもできるでしょう。

デザイン性を高める

住宅の審美性を高める目的で軒天を設置することもあります。

というのも、軒天を設けていない住宅の場合、目を上に向けると屋根の天井裏が見えてしまい、デザイン性が低下してしまうからです。

軒天を設置すれば屋根の裏側をきれいにカバーできるので見栄えがよくなり、よりおしゃれで洗練された外観を実現できるでしょう。

延焼を防ぐ

軒天には、火災の被害を抑えるという役割もあります。軒天は外側に突き出る形で設置されているため、火災が発生した場合、屋根などに火が燃え移るのを防いでくれます

逆に言えば、軒天がなければ延焼を防ぎにくくなり、火災の被害がより大きなものになってしまいかねません。

万が一のことを考えると、軒天がない家よりも軒天がある家のほうが安心できると言えるでしょう。

まとめると…
  • 役割1:外壁を雨水や紫外線から保護する
  • 役割2:下から見た時に屋根の天井裏が丸出しにならないようにカバーする
  • 役割3:火災発生時に屋根などへの延焼を防ぐ

軒天に起こりうる劣化症状

軒天は普段意識して見る機会のない箇所であるため、屋根や外壁と比べると劣化サインを見逃してしまいやすいもの。劣化症状を放置しておくと、さまざまなトラブルの原因になりかねません。

軒天には外壁を雨風や紫外線から保護したり延焼を防止するといった大切な役割があるため、定期的に点検をしておきたいところです。

そこで以下では、軒天に起こりうる主な劣化症状を5つ解説していきます。もしもご自宅の軒天が以下のような症状に当てはまったのならば、早めにメンテナンスを検討してみてください。

色褪せ

 

木材 | フリー素材 キューブ

軒天は雨水や紫外線にさらされることが多いため、どうしても経年劣化によって色あせを起こしやすいもの。

色あせは軒天の耐久性や強度にダメージを与えるわけではありませんが、家の見栄えが悪くなるため、できれば塗り直しをしておきたいところです。

なお、一般的に安ければ安いほど塗料は色あせしやすいと言われています。やや費用はかかりますが、色あせ防止効果の高い塗料を選ぶのもひとつの手でしょう。

破損や欠落

雨水やカビが原因で腐食を起こしたり、強風のダメージを受けたりして軒天材に破損や欠落が生じてしまうこともあります

とりわけベニヤ板のように耐久性の低い軒天材や、ケイカル板のように衝撃に弱い軒天材を使用していると、欠けたり割れたりしやすいでしょう。

台風など自然災害が原因で破損や欠落が生じた場合は、火災保険を利用して補修をすることも可能です。契約内容によっては地震などの被害も火災保険でカバーできます。

ただし、加入されている保険プランによって補償内容も変わってくるので、一度確認しておきましょう。また、自然災害による被害であっても3年以上経過すると保険金を受け取る資格がなくなってしまうため、早めに保険会社に連絡しておくことも大切です。

塗装の剥がれ

漆喰 補修
雨風や紫外線に長期間さらされることで塗装が剥がれるというのも、軒天材によくある劣化症状のひとつです。

なお、塗装の剥がれは経年劣化が原因とはかぎりません。塗装したばかりでも、その方法に問題があったり悪質な業者に手抜き工事されると、施工不良を起こして早々に剥がれてしまうこともあります。

塗装には見栄えをよくするだけでなく、軒天材の耐久性を維持するという役割もあるため、剥がれを放置しておくとカビの発生や腐食などの原因になってしまうことも…。

こうしたトラブルを避けるためにも、できるだけ早く塗り直しをしておきたいところです。

腐食

腐食とは、軒天が腐ったりカビたりする劣化症状のこと。腐食が進むと軒天の強度も耐久性も低下し、強風などで破損や欠落を起こしやすくなります

落下した軒天材が通行人にあたってしまうと、取り返しのつかない事故に発展してしまう可能性もゼロではありません。その場合、高額な慰謝料を支払わねばならない可能性も…。

腐食は放置してはいけない劣化症状にあたるため、早急に業者に補修を依頼しましょう。腐食の具合によっては、張替え工事ではなく増張り補修を採用できるケースもあります。

反り

経年劣化や腐食・強風による被害などで、軒天が変形して反り返ってしまうことがあります。

反りが生じると歪みや隙間が生じ、構造的にもろくなってしまうので要注意。大きなトラブルが発生する前に、適切な補修をする必要があります。

まとめると…
  • 色あせ:即座の補修は必要ないができれば塗り直しをする
  • 破損や欠落:二次被害を招く可能性が高いため早急に補修する
  • 塗装の剥がれ:放置すると耐久性が低下するので塗り直しをする
  • 腐食:割れたり欠けたりする原因になるので補修が必須
  • 反り:不具合が出やすいので早めに補修する

軒天のメンテナンス方法①塗装

軒天のダメージが大きい場合は増張り補修が必要になりますが、軽度の劣化症状ならば塗装でメンテナンスが可能です。

以下では、塗装による軒天のメンテナンスの流れや費用などについて詳しくチェックしていきましょう。

軒天の塗装の流れ

塗装のメンテナンスの流れは、以下のとおりです。

  • ケレン
  • 養生作業
  • 下塗り
  • 中塗り・上塗り

最初に、塗装をする箇所の汚れなどを落とすケレン作業からスタートします。カビや汚れ、古い塗膜などがある状態で新しく塗料を重ねても、すぐに剥がれなどのトラブルを起こしてしまうからです。

ケレンが終わったならば、周辺に塗料が飛び散るのを防ぐために、マスキングテープやシートを使って養生作業をおこないます。

これらの下準備が完了した後、下塗り・中塗り・上塗りの計3回塗料を重ねていきます。下塗りには中塗り以降の塗料の密着性を高めるための接着剤的な役割があるため、手抜きをせずに丁寧に作業をすることが大切。

軒天のメンテナンス方法②増張り補修

ここまで見てきたように、色あせなどの劣化症状ならば塗装のみでメンテナンスを済ませることができます。

他方で、軒天の耐久性や強度に支障が出るような中度以降の劣化症状の場合は、増張り補修をおこなう必要があります。

以下では、増彫り補修の流れや費用についてみていきましょう

増張り補修の流れ

増張り補修とは、既存の軒天材の上に新しい素材を張り付けることで軒天の補強や補修をおこなう工法のこと。以下のような流れでおこなわれるのが一般的です。

  • 足場の設置
  • 下地補修
  • 新材の張り付け
  • シーリングや塗装処理

高所での作業となるため、まずは足場の設置が必須です。その上で傷やひび割れなどを補修し、下地を整えてから新しい素材を張り付けます。

その後、シーリングや塗装処理をおこなえば作業が完了です。

軒天のメンテナンス方法③張替え工事

軒天材が激しく損傷したり欠けている場合は、増張り補修ではなく張替え工事をおこなう必要があります。

ここからは、軒天の張替え工事について詳しくチェックしていきましょう。

張替え工事の流れ

張替え工事も最初に足場を設置しますが、増張り補修とは違い、既存の軒天材をすべて解体・撤去してから、新しい素材を張り付けることになります。

  • 足場の設置
  • 既存の軒天材を撤去
  • 下地補修
  • 新材の張り付け
  • シーリングや塗装処理

張替え工事では増張り補修よりも重量負担がかかりにくくなるため、耐震性の点で安心できます。

最後に…。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
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