
壁塗装の塗料はどう選ぶ?塗料の種類と違いとは
建物の外壁は、日常的に紫外線や風雨など外的な刺激にさらされ続けることから劣化は避けることができません。
これら外的な刺激から外壁材を保護する重要な役割を果たすのが外壁塗装です。
外壁塗装の塗料には多くの種類がありますがどのように選べばよいのでしょうか?
効果的な選び方とは、塗料の種類ごとに異なる特徴を比較し、より目的にマッチするものから検討することです。
今回は外壁塗装の塗料の種類と、それぞれ特徴の違いについてご紹介いたします。
外壁塗装の塗料を構成する4つの成分とは
外壁塗装の塗料の種類は、成分内容の違いで分類できます。
- 塗料を構成する成分は次の4つです。
- 樹脂
- 顔料
- 添加剤
- 溶剤
以上4つの成分を簡単に解説いたします。
樹脂
樹脂は塗料の主成分にあたります。
代表的な樹脂の種類として「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」などがあります。
これら樹脂が持つ特徴が、塗料の性能を決定づける非常に重要な成分です。
顔料
顔料は塗料に着色するための役割を担う成分です。
顔料を入れていない塗料を「クリヤー塗料」といい、透明であることから、おもにコーティングとして使用されます。
添加剤
添加剤は塗料に性能を加えるための成分になります。
顔料の沈澱を防ぐことや、塗膜の表面を均等に安定させること、あるいはツヤを調整することなど、添加剤の種類で効果も変わります。
溶剤
溶剤は樹脂や顔料、添加剤などを溶かすための成分になります。
4つの成分のうち溶剤だけが液体で、塗装後には蒸発して塗膜には残りません。
溶剤の種類がシンナーなど薄め液の場合を「油性」、
水の場合を「水性」として分類します。
外壁塗装の塗料の特徴は樹脂の種類で決まる
外壁塗装の塗料は主成分の樹脂によって特徴が決定されます。
代表的な樹脂の種類は「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」などです。
まずはこれら樹脂について、それぞれどのような特徴があるのか簡単にご紹介いたします。
アクリル
材料コストが安いことが大きな特徴です。
過去には幅広く普及していましたが、耐候性が低く劣化が早いなどパフォーマンスの低さから需要は減っています。
耐用年数はおよそ5~7年です。
ウレタン
材料コストはアクリルに次いで安くなります。
ひと昔前はスタンダードな塗料として広く普及していましたが、シリコン塗料の登場によって需要は減りつつあります。
やわらかくひび割れしにくいため、動きの大きな下地への施工に適しています。
耐用年数はおよそ8~10年です。
シリコン
材料コストと耐用年数のバランスがよいことが特徴です。
汚れにくくカラーバリエーションも豊富な、現状において最もシェアの高い塗料になります。
耐用年数はおよそ10~15年です。
フッ素
4つの樹脂のなかで最もハイグレードなものです。
材料コストは高いですが、耐候性や耐熱性に優れるなど性能面ではほかの樹脂と比較しても優位にあります。
また光沢のある仕上がりによって高級感を演出できる点も特徴となります。
耐用年数はおよそ15~20年です。
その他
基本的な塗料の他に断熱、遮熱といった機能性をもたせた塗料など色々ありますが、人気のある塗料を紹介しておきましょう。
ラジカル
シリコン塗料に耐候性を持たせたラジカル制御系の塗料です。
酸化や紫外線による劣化に対して特殊な成分を配合し、優れた耐候性を持たせたものです。
コスト的にも良く、人気のある塗料です。
無機
最も耐用年数が高いものに無機塗料があります。
材料に無機物が使われているので、紫外線などの劣化はほとんどありません。
コスト的には高くなりますが、耐用年数も20年以上となっています。
まとめ
それぞれの塗料の特徴で大きく異なるのは耐用年数と材料コストです。
耐用年数の長さに比例して材料コストも高くなりますが、一方で耐用年数が長いほどメンテナンスサイクルには余裕が生じることにもなります。
ということは、長期的な視点で見るとランニングコストの削減につながり、トータルコストが安くなる可能性もあるということです。
コストと性能のバランスを評価しながら検討することが、塗料を選ぶ要素のひとつといえるでしょう。
代表的な塗料についての特徴をまとめていますので、こちらもご参考下さい。